id:amegriff氏との議論の続き

興味のない人は飛ばしてね。っても今日はろくに更新してないけど。

さて、長くなってきたので今回は引用を交えて進めます。

粛々と判決を下すのならば、きちんと憲法判断もするべきだし、今までその様な憲法判断を回避してきたからこそこの様な複雑な手順での訴訟が行われるようになったのだから、そのことを持って「賠償請求は棄却されたので負け、傍論にすぎない」と.言うのは的を射ていない考えでしょう。

先に言っておきますが、俺は傍論に過ぎないとは言っていません。強いて憲法解釈部分を指して言えば傍論であるとは思っていますが。
また、判決には元より判決内容に関係の無い裁判官の解釈などは必要なく、今回の憲法解釈に至っては申し立て自体を棄却している事から完全に不要です。むしろ「憲法判断をすべき」という部分の根拠についてご説明頂けると有難いです。

国内外の反発と言って国外だけの反発を想定してしまうのは、それはつまり国内で反発している人達を切り捨てる方向での考えではないですか。
国内にも靖国参拝軍国主義の復活と考える人は多々いらっしゃいますよ。
靖国神社が戦争のための神社である事を考えたらそれは当然の帰結です。
遊就館などの付随施設を考えれば、あの神社が持つトンデモ性は十分理解できると思います。

国外だけを想定しているのではありますせん。あくまでも「国内問題である靖国参拝問題に関する判決に、少しでも外国からの批判を踏まえている時点でおかしい」というだけの事です。勿論国内からの批判がある事は承知していますが、それはまた別の問題であり、ここで問題なのは「外国からの圧力が提起されている事」です。そのため国内で靖国参拝に反対していらっしゃる方々に関する記述は、論じる意味がありません。

伊勢神宮に関しては、私は伊勢神宮も参拝は反対です。
ただ国内外で伊勢神宮の存在を認識されてないので訴訟が数多く起こっていないから、問題視されないだけではないかと思います。
私は階級制度としての天皇制に反対しておりますので、国権の補強として首相やそれの連なる公人が伊勢神宮へお参りすることは反対です。

amegriff氏が伊勢神宮に反対かどうかは関係ありません。無論、記憶には留めておきますが。
国内外で伊勢神宮(参拝の)存在が認識されていないとご指摘ですが、でしたらどうして靖国参拝はこうも大きな問題として扱われるようになったのでしょうか。また、どうしてこうも訴訟が頻発するのでしょうか。それは国外からの反発によるものではないでしょうか。ちなみに中国が批判を始めたのは、1978年にA級戦犯が合祀され、首相が参拝するようになってから7年も経った1985年です。またA級戦犯が合祀された1978年当時も、首相の靖国参拝の存在は決して知られていないものではありませんでした。
この事から、そもそも靖国参拝批判自体が極めて政治的な問題を発端としており、国内での反発もその多くは「外国の反発を招きたくないから」という物です(これは民放各社のアンケートで何度も目にしているかと思いますが)。
それと伊勢神宮参拝を「国権の補強として」としているのは完全にamegriff氏の憶測ですので、指摘しておきます。(国権の補強として行く場合には反対、という意味であれば、現在の参拝には賛成という事になりますので)ついでに個人的な意見を言えば、正月の初詣くらいは首相にも許してやって良いのではないかと思いますよ。俺も行かないと何となく新年が始まった気がしませんので。当然、政教分離を厳密に行えば、それは許されないわけですが。

何度も言いますが、民主主義国家の憲法というのはどこの憲法でも国家権力を制限する方向で作られています。
国家権力を拡張したり保護したりする憲法を持ってるのは、北朝鮮やそれに類するファシストの国家でしか存在し得ないのです。
我々の国家体制は民主主義です、誰か一人の為に我々が存在するのでも、一部の特権階級の為に国がある訳でもありません。
かつて前の戦争で国家体制を強化する為に社(やしろ)から神社へ昇格した、あの神社へ今も祀ると言う事は、あの時代への回帰や無反省を連想したとしてもそれは当然でしょう。そのような無責任な行動を起こす公人など不要だと私は思います

民主主義国家の憲法がどのような目的で作られているかは関係ありませんし、靖国神社がどのような経緯で作られているかも全く関係ありません。この問題はあくまで「司法の判決に、判決理由として不要な部分が差し挟まれている事(更に言えばそれが諸外国の反応を踏まえている事)」の問題です。そして俺は最初に(これはamegriff氏に「おバカ」と判断された箇所ですが)「で、何で判決に不要な憲法判断をしてんの?」と書いた通り、判決に不要な憲法判断がされている事に関して疑問を呈しています。

さて、amegriff氏の事ですから、もうこちらの意見を概ね把握できた事と思います。
以上の文章を読んで頂いても、未だにamegriff氏の論理以外は全て完全に否定しうるものでしょうか。またお手すきの際にでも、コメントを頂ければと思います。どうぞ宜しくお願い致します。