GUN×SWORD 第26話「タキシードは明日に舞う」

まさに「痛快娯楽復讐劇」の名に恥じない最終回だった。ヴァンと鉤爪の戦いも素晴らしすぎるタイミングでOPテーマを投入したり、野望を打ち砕かれて絶望するかと思われた鉤爪が尚、禍々しいキャラクターであり続けたり、演出的な良さもさる事ながら、独特の台詞回しが冴えに冴え渡ってたよ。「俺からエルナの死まで奪うつもりか!!」とか、(谷口悟朗流の「スクライド」パロディなんだろうけど)「お前は俺を怒らせたからだ!!」とかっていうヴァンの台詞は真っ直ぐな性格を最後まで良く表してたし、「ありがとう!」と「このやろう!」の応酬なんかジョジョのオラオラみたいだったよ。「私は死にません!」「死ねぇ!!」とかね。
脚本としては復讐を果たしたヴァンが何を糧に生きていくのかや、あれだけ一途にヴァンを思い続けたプリシラの件なんかがすっかりはぐらかされてしまっていたりするんだけど、「生きる目的を失い、次の何かを探すために旅立った」っていう旅立ちの理由付け自体は無理のないものだったからそれも許容範囲かな。
まぁその辺はカイジの「ガール。目的を果たした男は、新たな海に誘われるものなのだよ、オーケィ?」が格好良すぎて納得させられたってのもある。カイジはここにきて良いところ見せ付けすぎ!


さて、全体を通して観た意見としては「実に計算し尽されたさっぱりしたアニメ」って感じでした。
根底にあるのは歪んだ夢と歪んだ愛のせめぎあいでありながら、それを意識させず(しんみりだったり暗かったりせずに)最後まで突っ走ったのは正直凄いと思うし、そういう意味で冒頭で書いた通りの「娯楽作品」だった。
これからの谷口悟朗氏に要注目だよ!