2008年エロ漫画10 〜2008年のエロマンガですっかり巨乳派に乗り換えてロリコンは卒業だと思っていたけど改めて振り返ってみたら全然ロリコンだったぜ!の巻

酔拳の王 だんげの方」のだんげ氏が催している「2008冬 エロマンガ10 〜アカネを追いかけて宝物を発見したあの頃〜」になんとか参加できました。
集計用リストは最下部にありますので、結果だけ知りたい方もそちらをご覧下さい。

始めに

恐ろしい。恐ろしいイベントだった…。エロ漫画10。エロ漫画の読者が多そうなうちのサイトではあるけれども、その年のエロ漫画の中から10冊選ぶという事の恐ろしさが果たして伝わるのかどうか…。(少なくともエロ漫画についてこれだけの長文を書くという気持ち悪さについては伝わるだろう)
エロ漫画は(俺が知る限り)アンソロジーも含め月に60〜70冊が出版されていて、俺はその中から月10冊ほどを購入しているから、年間にすれば約120冊。これはここ数年減少傾向ではあるけれど、それだけに最近では殆どが雑誌等で予めリサーチした作品や作者を狙って購入する作者買い。いってみればほぼ全冊がお気に入りであり、既に手持ちの資金と綿密に相談したうえでの120冊。にも関わらず、エロ漫画10においてはこの中から更に100冊以上を削ぎ落とし、10冊を選ばなければならないという…。愛着のあるヒロイン、是非ともおすすめしたい作者を切り捨てる事がこれほど難しいとは。ましてやこれを現在までに発売した全てのエロ漫画から選ぶだなんて考えただけで恐ろしい!到底無理といわざるをえない!!
と2007年のエロ漫画10で挫折した自分についてひとしきり言い訳しつつ、2008年のエロ漫画10を始めたいと思います。

尾野けぬじ「ラブでれ」

まずは何はなくともこれを挙げないわけにはいくまい…。収録作である「それでも僕らは…」は2008年ほのぼのハーレムオブザイヤーを決める上でも確実に上位に食い込んでくる作品ではあるし、ヒロインも委員長、クラスのアイドル、不良と取り揃えているうえ、それほど大きな扱いではないながら非処女までいる事により、比較したうえでの承認に加え、唯一の存在としての承認も得られるという至れり尽くせりっぷりではあるけれども、個人的には「宇宙こんにちわ」のSFテイストを取り入れたストーリーでありながら、氏の作品に特有の生活観が前面に出ている軽妙さにグッときたのが購入の決め手だったので、これについて書いておきたい。
たとえば田中浩人氏の「おそらの迷子」が持つ絵柄の暖かさに相反するような無機質さや淡々とした雰囲気も、八的暁氏の、2008年であれば「少女嗜好」に収録されている「愛はさだめ、さだめは…」(タイトルからしティプトリーJr)(実はナイトウィザードだったらどうしよう)のようなガチ設定ガチロリのSFも大変素晴らしいものではあるけれど、この辺と比較してしまうと本作はぜんぜんSFではない。というより、内容的には「宇宙から俺のところにお姫様が来るといいなー」という病気の人がしょっちゅう考えるアレであり(田中浩人氏の「おそらの迷子」にも似た設定が見られる)、実際はSF的なものは「それでも僕らは…」でいうところの「少子化が進み云々」と同様に作中ではほとんど描かれない。つまり本作はヒロインのキャラクタとシチュエーションを構築するためにSF的な舞台を用いているだけであって、本当の意味で素晴らしいのはそうして構築されたキャラクタが織り成す掛け合いや、そうしたキャラクタたちによって構成されたシチュエーションであり、要するに長文でグダグダと何がいいたいのかといえば、ヒロインがちょう可愛いという事です!!
ちなみに今回の感想はだいたい最終的には「ヒロインがちょう可愛いという事です!」みたいな感じになると思われるので、これ以降はもう読まなくてもいいですよ!!

フクダーダ「相思相愛ノート」

フクダーダ氏はメジャーなのであんまりヌルヌル書きませんが、今回も下品な体つきの女の子が下品な喘ぎ声を上げながらセックスする感じの漫画です。下品な喘ぎ声については「滑稽さとエロスは紙一重」といいますか、かなりギリギリのラインでエロ漫画読みの間でも評価が分かれるところではありますが、個人的には大好きです。大好きです!大事な事なので略
フクダーダ氏とは「乳は垂れ始めてからが本番ですよね!」とか「ちょっと臭そうな女の子って良いですよね!」みたいな話をしながら酒とか飲みたい。あ、要するにヒロインがちょう可愛いという事です!!(もう忘れてた)

田沼雄一郎「PARTICIPET〜吉奈賀くん奔走する」

俺はこの人の漫画を何年読んでるんだろう。「PRINCESS OF DARKNESS」が90年発行…それはさておき。主人公がド変態の汗かきデブで美少女に腋やら臍やらを舐められる漫画という、よくコミメガ載ったなぁ的な1冊。
でも前に子猫の内臓ごとレイプみたいなやつを漫画ホットミルクだかで描いていたわけで、そう考えるとやっぱり未だに健在というか、相変わらず尖ってるともいえるか。(と思って「PRINCESS OF DARKNESS」を改めて読んでみたけど載ってなかった。あれなんだったか…。「G街奇譚」でもないし。ご存知の方は教えて下さい)

藤咲真「あやかの学園日誌」

15年ほど前からツンデレとアナルを描き続ける藤咲真氏はもっとリスペクトされて良い。
今回のコミックからキャラクタの頭身が少し下がって、全体のパーツも少し短くなったり、大きくなったりしている様子。田沼雄一郎氏然り、すっと縦に長めの顔を描いていた人が後年になって徐々に丸みを帯びた絵を描くようになるのはよくある事だし、基本的に悪くないと思うんだけど、氏の作品の魅力はスマートに、理知的に描かれた女性が、尻の穴込みで辱められるところにあると思うので、ちょっと残念に思う部分もあったりなかったり。作中はそんな気にならないんだけど扉絵とか巻末のイラストが顕著でなー。

中年「年刊中年チャンプ」

不思議ちゃんとか犬(ときどき猫)っぽい雰囲気のヒロインとラブラブする甘ーい話をもりもり描く中年氏の初単行本ー!やたー!これ結構売れたっぽいので、俺が待ちに待っている2006年頃の作品とか次のコミックにはもっと掲載してくれれば良いと思います!嫌だろうけど!
なんというか、2000年代後半のエロ漫画家はそういう人が多いけど、流行の断面図から水分多めの描写まできちんと取り入れていて素晴らしいなぁ。

廣田眞胤「エッチで自分勝手でカワイイ娘」

エッチで自分勝手でカワイイ娘というか、エッチでバカな娘ばっかりだこれー!好きだー!
落ち着け落ち着け。俺も誕生日にパクマンさん表紙の「ボニュセロ」をプレゼントされたい的な感情が昂ぶってしまった。いかん説明してるのに誰も分からないぞこれ。
まーでも実際バカな女の子を描くエロ漫画家はたくさんいるけれども、頭と瞳の大きさといい、瞳のキラキラっぷりといい、バカな娘をこれだけ説得力のある愛らしさで描ける人はちょっといないんじゃなかろうか。やや絵自体に不安定なところあるというか、頭と他のパーツのバランスが気になるところがあるんだけど、まぁその辺も味といえばそうだし(個人的にはそういうの好きだから)、補正もされていくだろうし…。あと私服が可愛いのもポイント高いと思う。

あしか「ぐずぐずしてたらそだっちゃうよ?」

傑作にしてデビュー作でもある「半恋期」から5年、あの海驢氏が読みやすさ重視のPNとより洗練された絵柄と全開の性癖を引っさげて帰ってきた!という、以前からのファンにとってはドキドキの1冊ではあったわけだけど、いざ読んでみればこれが実に素晴らしい。誌面で「いもうと狩り」を読んだ時は画風のアンバランスさに「どうしてこんな事に!!」と嘆いたものの、他の収録作品においては小学校低から中学年にかけての少女が持つ儚さや無邪気さ、あるいは怖さ(それも数年で失われてしまう類の!)といった不安定な年頃の描き方に磨きが掛かり、画力の高さやアクロバティックな描写、画面構成の上手さ(仲間内では「カメラアングルの魔術師」と呼んでいる)もあいまって、今となっては日本のロリエロ漫画家の中でもトップ10に入る実力者になったと言って良いんではなかろうか。
後半に収録されている「ふた×めが」に至っては、おしゃぶりとおむつ装備の乳児とかちょこっと出てる有様で、ガチロリを自認する俺も思わず戦慄してしまった。

東山翔「Gift」

大人のように聡明で、理知的で、きちんと自我の備わった少女から愛されるというのはロリコンにおける1つの夢の形であるから、そういう意味では天才少女に1人の男として、あるいは兄として、また生きるのに欠かす事のできない存在として愛される主人公のいる本作は、ロリコンの夢を描き出した作品であるといえるかもしれない。
兎に角、良い意味でも悪い意味でも、読んでいて非常に心地の良い1冊。町田ひらく氏の本とか読んでバランスを取らないと!

鬼束直「Lovable」

単行本のキャッチフレーズとかを見ると編集部もそう思っているようではあるけど、相変わらず可愛い、明るい、それでいて普通っぽい女の子を描かせると右に出る者はいない鬼束直氏の最新作。
今回は極端に恥ずかしがりやな女の子とか魔法少女なんかも描いているんだけど、そこにあまりグッとこないのも普段描いている普通っぽい女の子が可愛すぎるからだろうなぁ。
ちなみにタイトルの「Lovable」はどうも「ave;new」による同名のアルバムを気に入っている事からのようで、個人的に親近感。

楓牙「男の子女の子」

読み終わった後、タイトルから受ける印象がガラリと変わる1冊。
割とベタな方向性であるボーイミーツガール物でありながら、この作品が琴線に触れるのは、大抵の男は「同い年の少女が、それでも自分より少し大人びていたあの頃」に心当たりがあるからではないだろうか。そして何より、地球上に存在する全ての男が、デコ少女を愛しているからではなかろうか!はっ、勢いに任せて何を言っているんだ俺は!!

これさえあれば、どんぶり3杯分は出せるシチュエーション

略して「これ丼」ですが、エロ漫画でいえばここ数年はほのぼのハーレムです。1人の男とお互いに仲の良い複数の女の子によるハーレム。このシチュエーションはまさに男の浪漫!
そういう意味では尾野けぬじ氏の「ラブでれ」がそのものズバリですし、この作品の素晴らしさについてはどこかできちんと書いておきたいと思っていたので、一部ではありますが、こういう形で書けて良かったと思っています。本当は他にもZUKI樹氏の「ぴゅあえろ」とか入れたかったですが、どうしても落とす枠が見つからず断念…。残念です。
まぁ八的暁氏の「少女嗜好」とか、井ノ本リカ子氏の「A.My.Sweets」とか、個人的嗜好におけるSクラスには入らないまでも、Aクラスには楽々入るような作品は今回挙げた他にも20冊ほどあったので、ある程度は仕方ないんですけどね。全てについて書いてしまうには時間が足りなすぎるし、本当は2008年以前についてだって、書きたい事は山ほどあるわけで。これについてはまた少しずつ、いつかどこかで。

集計用


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