シムーン 第26話「彼女達の肖像」

数多くある謎を一体どうして片付けるつもりだろうと思っていたけれど、どうやらそんな事はどうでも良い類の話だったらしい。確かに、永遠の少女である事を選んだアーエルとネヴィリルを、大人になると決めた少女たちと、かつて少女だった大人たちが見送るシーンは、どうにも胸にこみ上げるものがあった。なんというか、男である俺でさえ、「私にもその時があった。みな、少女だった」という言葉に共感してしまうというか…いやはや、良い年したおっさんが何を言ってるんだ。要するに、そういう事を書きたくなる作品だったという事でひとつ。
残された、大人になった少女たちのその後も凄く良かった。過ぎ去ったモラトリアムを感じさせつつ、エピローグとしての機能もきっちり果たしていたよ。そして何よりラスト、アーエルとネヴィリルのダンス。憧憬の中で踊る永遠の少女の美しさ!あれには参った!最終回にして心の琴線をガンガン弾かれた感じだよ。
あーしかし、考えれば考えるほど惜しい。これだけドラマティックで、様々に考察する余地があって、丁寧な作りの作品だったというのに、最初の難解な数話で(難解はずっと難解だったが)多くの人が振り落とされてしまったのだろうからなぁ。
何はともあれ、スタッフ及びキャストの皆さん、お疲れ様でした。